2012年の優れたIT系書籍としての5冊、「Jolt Awards 2012」

今週のPublickeyは2冊続けて書籍を紹介したのですが（「プロになるためのJavaScript入門」、「アジャイル開発とスクラム」）、そういえば昨年のJolt Awards 2012を紹介していなかったことを思い出しました。昨年9月に発表されているので、少し時間がたってしまっているのですが、米Dr. Dobb's Journalが優れたIT系書籍を発表するJolt Awards 2012で、The Best Booksに選ばれた書籍5冊を紹介しようと思います。

Jolt Awards: The Best Books | Dr Dobb's

選ばれた5冊のタイトルを眺めてみると、リーンスタートアップとHTML5、そしてiOSの解説書が含まれているのがトレンドの特徴を示しているのでしょうか。一方で、デザインパターン、ソフトウェアテストといった地味ながら玄人好みの書籍が含まれている点は、米国でこの分野に関心のあるエンジニアが多いのだなあと思わされます。

以下はどれも米Amazonでの紹介内容を日本語でまとめたものです。

Jolt Awards 2012を受賞した5冊

Specification by Example: How Successful Teams Deliver the Right Software
Specification by Exampleは、、ビジネスのステイクホルダーと開発チームのコミュニケーションギャップを埋めていくために、実際の例を基にソフトウェアを開発するという新しいプラクティスです。本書では、著者が世界中の成功例のエッセンスを取り出し、短い開発サイクルの繰り返しで優れたソフトウェアを開発する方法を解説します。

HTML5 Developer's Cookbook
HTML5を使うことで、プラグインを使わなくてもドラッグ＆ドロップや動画などのリッチで強力な、スタンダードに準拠したブラウザーアプリケーションを開発できます。そのためには、Web開発者はこの大きな利点を持つHTML5をマスターする必要があります。本書は、HTML5アプリケーションの開発にすぐ役立つエキスパートによるコードやアドバイスを紹介します。

iOS Programming: The Big Nerd Ranch Guide (3rd Edition)
著者は本書を通して、iOSプラットフォームの内部についての重要な点を解説しています。これは、iOSでの開発でなにがポイントになるのか、多くの有効な機能と、それらの利用方法について、その本質を理解する大きな助けになるでしょう。（日本語版書籍はこちら）

Elemental Design Patterns
15年を経てなお、デザインパターンの領域では、その基礎となる重要な部分が欠けていました。定義によれば、デザインパターンのコンテントは抽象化です。その結果、デザインパターンは学生や経験が十分ではないプログラマーにとっては分かりにくいものになっています。本書では、デザインパターンに欠けていた、基礎となる実践的に使えるパターンを提案します。それはこれ以上分割できない、コアパターンの集まりとなります。（日本語版はこちら）

Running Lean: Iterate from Plan A to a Plan That Works
Running Lean(ラニング・リーン)とは、リソースを使い切る前に最初のプランからうまくいくプランへと反復的に移行する体系的なプロセスです。 本書では、顧客が必要とするMVPを構築する方法、構築・計測・学習ループを高速化する方法、製品/市場フィットを達成する方法などについて、 リーンキャンバスや顧客インタビューの手法を使いながら具体的に解説します。（日本語版書籍の解説より）

How Google Tests Software
グーグルの元テストリーダー、James A. Whittaker氏による著作。タイトル通り、グーグルはいかにソフトウェアをテストしていたのかを解説。Publickeyでも過去、同氏のブログを紹介したことがあります。「グーグルはあれほど多くのソフトウェアのテストをどのように行っているのか？」