プログラミング言語やデータベースが選べる新世代PaaS「DotCloud」が正式サービス開始

2011年7月1日

米国の新興クラウドベンダである「DotCloud」が、ベータ期間を終了し、正式サービスを開始しました。

DotCloud - Deployment made simple

DotCloudの最大の特徴は、PHPやPerl、Ruby、Java、Python、Node.jsなど複数の言語と、MySQL、PostgreSQL、Cassandra、MongoDB、CouchDB、Redisなど複数のデータベースやMemcached、RabbitMQ、Hadoopなどのさまざまなソフトウェアを開発者が自由に組み合わせてプラットフォームを構成することができ、それがクラウド上のPaaSとして提供されるという点です。

fig DotCloudのWebサイトから、利用可能なプログラミング言語やデータベースの例

構成されたPaaSの運用は当然ながらDotCloudが行います。モニタリングや動的なスケーリング、フェイルオーバー、耐障害性向上のため自動的に3つのデータセンターへの分散などが行われ、基本的に開発者は運用を気にする必要はありません。

新しい世代のPaaS

これまでの代表的なPaaS、例えばグーグルのGoogle App Engine、セールスフォース・ドットコムのForce.com、マイクロソフトのWindows Azureなどでは、基本的にプログラミング言語やデータベースの選択肢は限られており、その代わりにクラウドでのスケーラビリティがあり安定した運用を提供してくれる、というものでした。

しかしDotCloudでは、開発者のニーズが高そうなプログラミング言語やデータベースの多くがサポートされており、それを開発者が自由に選択できるようになっています。こうした多くのプログラミング言語やデータベースのサポートはDotCloudだけでなく、VMwareが発表したCloudFoundryやレッドハットのOpenShiftなどこれから登場するPaaSの多くが特徴として備えています。AmazonクラウドのBeansTalkにも同様の方向性を読み取ることができます。

これによって開発者がPaaSの環境に合わせるのではなく、PaaSを開発者に合わせることができるようになり、またプラットフォームを開発者が選択できるためロックインの懸念も緩和されるでしょう。

選択肢が限られていたPaaSを第一世代のPaaSとするならば、DotCloudをはじめとした選択肢が豊富でロックインの懸念が緩和されたPaaSは第二世代のPaaSといえそうです。

2サービスまでの利用は無料

正式サービスを開始したDotCloudは料金も発表されています

料金はどのプログラミング言語とデータベースを選択しても同一で、2サービスまでは無料で利用可能。4サービスまでは月額99ドルで、それ以上は問い合わせとなっています。

元シックスアパートの宮川達彦氏が、4月にDotCloudへ転職したことをブログで明らかにしていますが、そのエントリで宮川氏はこのように書いています。

I hope to see Perl deployments beat Ruby and Node.js on DotCloud some day :)

クラウド上の言語としてPerlが使えるプラットフォームはこれまでほとんどありませんでした。果たして、新しい世代のPaaSではどのような言語やデータベースが主流となるのでしょうか?

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