クラウドのすべてのスタックがオープン化。データセンターは「Open Compute」、IaaSは「OpenStack」、PaaSは「Cloud Foundry」

2011年4月27日

RackspaceやNASAらが昨年7月に開始した「OpenStack」は、IaaS(Infrastructure as a Service)を実現する基盤ソフトウェアのオープンソースプロジェクトです。

一方、Facebookが4月7日に発表した「Open Compute Project」は、最新のデータセンターを構築するためのサーバから建物まですべての技術をオープンにするものでした。

そしてVMwareが4月13日に発表した「Cloud Foundry」は、クラウドの上で実行するアプリケーションのプラットフォームとなるPaaS(Platform as a Service)のためのオープンソースのミドルウェア群です。

この3つは、クラウドを構成するデータセンター、IaaS、PaaSの3つのレイヤがすべてオープンなテクノロジーで構築可能になったことを示しています。

fig Rackspaceブログにポストされた「Two More Reasons the Cloud Era Will be Open」から引用

米クラウドベンダーRackspace HostingのLew Moorman氏は4月21日のブログ「Two More Reasons the Cloud Era Will be Open」で、OpenStackがこの3つのレイヤの統合について積極的に動いていることを伝えています。

OpenStack community members are already working on how to tie all these components into one integrated system. With over 500 people scheduled to attend next week’s OpenStack design summit, perhaps we will see some results of those efforts.

OpenStackのコミュニティメンバーはすでにどうやってこれらのコンポーネントを密接に1つの統合されたシステムにできるか動き始めている。来週行われるOpenStack Design Summitに参加する500人以上の人たちは、おそらくこのことについて一定の結論を見るのではないだろうか。(訳注:OpenStack Design Summitは今日から米サンタクララで開催中)

クラウドを構築するこの3つのオープンな仕様群は、今後その関係を密接にしていくことが予想されます。

クラウドのブラックボックスだった時代が終わる

Open Compute Project、OpenStack、Cloud Foundryのいずれも、まだ将来性は未知数です。商業的に成功するかどうかは分かりません(Open Compute Projectはやや立場が違いますが)。それは置いておくとしても、いままでのクラウドは、ハードウェア構成やソフトウェア構成がほとんどブラックボックスでした。最新の仕組みを知り、ハードウェア構成やソフトウェア構成を考えることはクラウドベンダーに就職しないと事実上不可能でした。

クラウド内部がどう構築されており、最新の技術知識はクラウドベンダの独占物だったのです。それがオープン化されて議論されること、その情報を誰もが参照できるようになったことは、クラウド市場にとって大きな変化が訪れたといえます。

もちろんクラウドは、仕様やソフトウェアが公開されたからといってそれほど簡単には作れません。大規模システムの運用ノウハウが必要だからです。しかし、構築技術がオープンになることで、運用ノウハウが共有できる基盤も整っていくことになります。

前述のLew Moorman氏は次のように書いています。

The benefits of instant, low-cost computing are everywhere.

コンピューティングがどんどん低コストで提供されるようになるだろうと。

クラウド構築は「規模の経済」によって大手に集約されるというシナリオがありますが、逆に参入障壁が下がっていき、多様性のあるものになるのかもしれません。

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カテゴリ クラウド
タグ  OpenStack , オープンソース


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