React 18正式版リリース。コアとなるレンダリングモデルに並行処理を導入、レンダリング速度、サーバサイドレンダリング速度の向上などを実現

2022年4月1日

JavaScript対応のUIライブラリである「React 18」正式版がリリースされました

React 18はAutomatic Batching、Server-Side Renderingの速度向上などをはじめとする機能強化が行われています。

Automatic Batchingでは、連続してステートの変更が行われる場合、そのたびにレンダリングの処理が走っていたところを、まとめて一回のレンダリング処理が走るだけになることで、速度が向上するというもの。

React 18以前では、Reactのイベントハンドラによる連続処理では、このようなレンダリングのまとめが行われていましたが、React 18では「createRoot」を用いることで、あらゆるステートの変更に対してこうした処理が行われるようになります。

Server-Side Renderingでは、「Streaming HTML」と「Selective Hydration」によって速度向上が実現されます。

Streaming HTMLは、サーバサイドでHTMLを生成する際に、すべてのデータが揃わなくとも、データがかけているところはプレースホルダを置いてHTMLを生成してクライアントに投げてしまい、データが取得できたタイミングであとからプレースホルダを実際のデータに置き換える、という処理をReactが行ってくれる、というもの。

サーバがデータ取得の途中でもクライアントでHTMLを受け取って表示を開始できるため、見かけ上の性能が向上します。

Selective Hydrationは、クライアントのHTMLにイベントハンドラをアタッチする場合、アタッチする部分を見つけるために必要とされるHTMLのレンダリングを行うJavaScriptが全部読み込まれていなくとも、先にレンダリング可能なところからイベントハンドラをアタッチしていく処理を可能にする、というものです。

これも読み込みの遅いJavaScriptに処理をブロックされることが減るため、速度の向上につながります。

こうした新機能はReactのコアとなるレンダリングモデルに並行処理を持ち込んだことにより実現されていると説明されています。これにより従来の単一処理で割り込みできず、同期的な処理によるレンダリングよりも柔軟で高速な処理が可能になっているとのことです。

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Junichi Niino(jniino)
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