シスコ、ハイパーコンバージド基盤ソフトを開発するSpringpath買収を発表。ハイパーコンバージドインフラへの注力強化へ
複数のサーバをソフトウェアで束ねることでスケーラブルな仮想化基盤を実現する、いわゆるハイパーコンバージドインフラストラクチャは、いまサーバ分野でもっとも成長しているセグメントとしてハードウェアベンダ各社が注力しています。
2016年10月に発表された米調査会社ガートナーのレポートでは、ハイパーコンバージドインフラストラクチャは「統合システム市場を破壊的しつつある」と表現されているほどです。
この分野をリードする新興企業のNutanixは自社でハイパーコンバージドインフラ用の基盤ソフトウェアを開発し、アプライアンスとして製品化しています。
Nutanixを追う形のDell EMCは傘下のVMwareの仮想化ソフトウェア製品群をハイパーコンバージドインフラに最適化する形で採用。HPEはNutanixと共にハイパーコンバージドインフラ市場をリードしてきたSimpliVityを2017年1月に買収。自社サーバに組み入れて展開するようになりました。
一方、シスコは2016年にこのハイパーコンバージドインフラ市場に「HyperFlex」を投入し、本格参入を開始していますが、HyperFlexの基盤ソフトウェアである分散ファイルシステムは、シスコが(多少の資本関係はありつつも)サードパーティであるSpringpathと共同開発したものでした。
そのシスコが21日付で、Springpathの買収を発表しました。
Springpath買収でハイパーコンバージド分野でさらに積極展開へ
買収するプレスリリースの中で、シスコのバイスプレジデント、Corporate Business Development担当のRob Salvagno氏は次のようにコメントしています。
Springpath's file system technology was built specifically for hyperconvergence, which we believe will deliver sustainable differentiation in this fast-growing segment.
Springpathのファイルシステムテクノロジーはハイパーコンバージェンスのために開発されたものであり、この急速に成長するセグメントにおいて今後も引き続き差別化を実現できるものと確信している。
Springpathの買収によって、シスコはハイパーコンバージドインフラ全体を自社製品として固めることが可能になりました。今後この分野で、同社のより積極的な製品展開が見られることが期待されます。
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