[速報]VMware、vSphere上にコンテナ環境を自動構築する「Pivotal Container Service」発表。Google Container Engineとのポータビリティ実現。VMworld 2017 US
VMwareはラスベガスで開催中のイベント「VMworld 2017 US」で、VMwareの仮想環境のうえにKubernetesを用いたコンテナ環境を自動構築する「Pivotal Container Service」(PKS)を発表しました。
Pivotal Container Serviceは、Google Cloud Platformが提供するコンテナ実行環境であるGoogle Container Engine(GKE)とのあいだで、アプリケーションレベルのポータビリティを提供することも同時に発表されました。これによりコンテナアプリケーションをオンプレミスとパブリッククラウドのあいだで柔軟に移動させることができるようになります。
![VMworld Pivotal Container Service](http://www.publickey1.jp/2017/vmware_day202.gif)
PivotalはVMwareからスピンアウトした企業で、オープンソースのPaaS基盤であるCloud Foundryなどを開発しています。現在はVMwareやDell EMCなどとともにDell Technologies傘下にあります。
Pivotal Container Serviceが発表されたVMworld 2017 US、2日目の基調講演では、Pivotal Container Serviceの発表にあたり、VMware CEO Pat Gelsinger氏、Pivotal CEO Rob Mee氏、Google Cloud Platform Vice President Sam Ramji氏、そしてDell Technologies CEO Michael Dell氏の4人が登壇しました。
![VMworld keynote](http://www.publickey1.jp/2017/vmware_day201.gif)
vSphere環境のうえにKubernetesをデプロイ
Pivotal Container Serviceには、vSphere対応が保証されたKubernetesの最新ディストリビューション、コンテナネットワーキングのためのNSX、Kubernetesのデプロイや管理などを提供するKuboなどが含まれています。
![Pivotal Container Serivce Architecture](http://www.publickey1.jp/2017/vmware_day203.gif)
このなかでもっとも重要なのがKuboです。Kuboは今年3月にPivotalとGoogleが共同で開発することを発表したソフトウェア。オープンソースで開発されているPaaS基盤のCloud Foundryの核である「BOSH」をベースに、Kubernetesのデプロイや可用性の向上、運用管理などを実現しています。
下記はPivotal Container Serivceのデモ画面。vSphere環境のうえに、簡単にKubernetesを用いたコンテナのクラスタをデプロイすることができます。
![Pivotal Container Service demo](http://www.publickey1.jp/2017/vmware_day204.gif)
PivotalとGoogleの提携でポータビリティを実現
Pivotal Container Service とGoogle Container Engineのポータビリティは、PivotalとGoogleの提携の元に実現された機能です。
Googleのブログに掲載された記事「Expanding Kubernetes in the enterprise: Google Container Engine + Pivotal Container Service」で、次のように説明されています。
One of the key features of PKS is release-level synchronization with Google Container Engine (GKE), ensuring that PKS is always on the same Kubernetes release as Container Engine. Release-level synchronization lets developers and operators build their applications for on-premises or public cloud targets without having to worry about platform drift or compatibility.
PKSの重要な点のひとつが、Google Container Engineとリリースレベルで同期をとるという点にある。PKSはつねにGoogle Container Engineと同じKubernetesのリリースを用いる。これによってデベロッパーと管理者に対してプラットフォームの格差や互換性を気にすることなく、アプリケーションをオンプレミスにもパブリッククラウドにも適用できるようにしている。
また、Pivotal Container Serviceは Open Services Brokerと呼ばれるAPIを通じて、 Google BigQuery、Google Cloud Spanner、Google Cloud Storage、Machine LearningなどのGoogle Cloud Platformのサービスにもオンプレミスとパブリッククラウド間の互換性を保ちつつアクセスできるようになるとのことです。
Pivotal Container Serviceは、2017年第4四半期に登場予定。VMware、Pivotalが販売するほか、Dell EMCのハイパーコンバージドインフラストラクチャであるVxRail、VxRackへのバンドルも計画されています。
VMworld 2017 US
あわせて読みたい
アップルとアクセンチュアが提携、アクセンチュアの専門部隊とアップルのエンジニアが協力。iOSアプリを業務システムやIoTプラットフォームと連係強化へ
≪前の記事
[速報]VMware Cloud on AWS、本日より提供開始。AWSのベアメタルでVMware環境を提供。VMworld 2017 US