「WebAssembly」の試験的実装、V8/SpiderMonkey/ChakraCoreなどで同時発表。2017年第1四半期にプレビュー公開を目指す

2016年11月2日

Webブラウザ上でネイティブコードに近い実行速度で高速に実行できるバイナリフォーマットを実現しようと、マイクロソフト、Google、Mozilla、Appleなどの主要なWebブラウザベンダがW3CのWebAssembly Community Groupなどを通じて共同で開発に取り組んでいる技術が「WebAssembly」です。

WebAssembly Community Group

参考:主要ブラウザで実行可能なバイナリ形式「WebAssembly」の開発がスタート。Chrome、WebKit、Firefox、Microsoft Edge、LLVM、Unityらがサポートを相次いで表明 - Publickey

このWebAssemblyに関わる主要な開発チームは、10月31日付で一斉にWebAssemblyの試験的実装について発表しました。

ChromeのJavaScriptエンジンであるV8では「Browser Preview」として発表。

Since WebAssembly is still behind a flag in Chrome (chrome://flags/#enable-webassembly), it is not yet recommended for production use. However, the Browser Preview period marks a time during which we are actively collecting feedback on the design and implementation of the spec.

WebAssemblyはいまのところChromeのフラグ設定(chrome://flags/#enable-webassembly)で有効になるため、本番環境での利用はまだお勧めしない。けれどもこのBrowser Previewのあいだは、仕様に関する設計や実装について積極的にフィードバックを収集することになる。
V8 JavaScript Engine: WebAssembly Browser Preview」から引用

SpiderMonkeyを開発するMozillaも「Browser Preview」として発表しました。

During this “Browser Preview” period, WebAssembly will still be behind a flag and there will be at least one planned change to reset the binary version to 1, where we hope it will stay forever.

この「Browser Preview」のあいだ、WebAssemblyの利用はフラグ設定が必要で、安定してほしいと願うバージョン1になるまでに少なくとも一度はバイナリ形式をリセットする計画的変更がある。
WebAssembly Browser Preview ★ Mozilla Hacks – the Web developer blog」から

マイクロソフトは内部ビルドでの実現を発表。オープンソースで開発しているMicrosoft EdgeのJavaScriptエンジン「ChakraCore」で実装しているとのことです。

We’re continuing to make progress towards a public preview implementation in Microsoft Edge, and today we’re excited to demonstrate WebAssembly in our internal builds.

私たちはMicrosoft Edgeでのパブリックプレビューに向けて継続的に作業を続けており、本日、内部ビルドでWebAssemblyのデモをしたことをここに発表する。
A peek into the WebAssembly Browser Preview | Microsoft Edge Dev Blog」から引用

今回の実装はMinimum Viable Productとして

WebAssemblyのWebサイトで公開されたロードマップによると、歩調を合わせて発表された今回の実装は、バイナリ形式やJavaScript APIの設計などを検証するためのMVP(Minimum Viable Product:必要最小限の機能を備えた製品)の位置づけとなっています。

また同時に各ブラウザのWebAssembly実装は互換性についても最初から配慮されているとのこと。

今後は、MVPをもとに仕様をブラッシュアップ、W3C WebAssembly Working Groupにおいて作業していくための新憲章を提案、ロゴの策定、MVPに続いて実装する機能についての作業、仕様に準拠しているか確認可能なテストの作成などの作業が計画されています。

そして現時点での暫定的な計画として、2017年第1四半期にWebAssemblyのパブリックプレビューを目指すとのことですので、この頃には主要なブラウザで一斉にWebAssemblyが有効になることが期待されます。

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タグ : HTML5 , JavaScript , WebAssembly , Web標準



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