PostgreSQLの現状と次期バージョン9.1の新機能。MySQL Conference & Expo 2011

2011年4月19日

米サンタクララで4月11日から13日にかけて行われたイベント「MySQL Conference & Expo 2011」では、オープンソースのデータベースであるPostgreSQLについてのセッションもいくつか行われています。

PostgreSQLは、本記事で紹介するセッションにも登場するPostgreSQLをベースとしたOracle互換のデータベースを開発しているEnterpriseDBが積極的に関与していることもあり、MySQLに比べるとエンタープライズ用途にフォーカスして進化しているようです。

PostgreSQLの現状と次期バージョンを紹介したセッション「The State of the Elephant」の模様を紹介しましょう。

PostgreSQLの利点とは?

PostgreSQLをベースにしたOracle互換のデータベースを開発しているEnterpriseDBのEd Boyajian氏。

PostgreSQLの現状を紹介しよう。PostgreSQLは堅実に進化してきたが、この数年は特に急速に進化してきた。商用利用も増加、多くの企業が加わってきている。

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PostgreSQLの利点について。ライセンスはユーザーフレンドリーなBSDに近いものになっており、いかなる企業もPostgreSQLを所有することはできない。

プロジェクトは5つの企業に属する6人のコアメンバーによって運営されている。

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この3年でPostgreSQLはドラスティックに変化してきた。その大きなものは、EnterpriseDBのような企業が多数エコシステムに参加し、製品やサポートが数多く提供されるようになっていることだ。Drupal、SugarCRMといったツールのサポートも増えた。

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デベロッパー向けにも改善され、JavaやPython、Rubyでストアドプロシージャが開発可能になり、PHP、Perl、Pythonから利用可能になった。

またPostgreSQLによるGeoSpatial(地理空間情報管理)の実装は、どのデータベースよりも優れている。

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多くの事例も登場しており、ミッションクリティカルな業務にも使われている。Linuxの普及に似て、当初はミッションクリティカルな用途には使えないと思われていたが、そうでないことを証明してきた。

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PostgreSQL 9.1では高速テーブルアクセス、同期レプリケーションなど

新バージョンとなるPostgreSQL 9.1の機能をいくつか紹介しよう。

特定のテーブルのロギングをしないアンロギングテーブル。ログのオーバーヘッドをなくし、NoSQLのような高速なデータアクセスを実現する。

SQL/MEDは外部のフラットファイルやほかのデータベースを利用できる。

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GeoSpatial機能はさらに改善する。同期レプリケーションを実装し、同期先もデータが失われないことを保証する。

SE-Linuxインテグレーションによる高度なセキュリティにも対応予定だ。

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いつかPostgreSQLが皆さんにとって有用なものになればと思っている。サンキュー!

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