MySQLに自動フェイルオーバー機能を追加したAmazonクラウド。オンラインのままパッチ当てやバックアップも

2010年5月19日

クラウド上でMySQLの運用を行うサービス「Amazon Relational Database Service」(Amazon RDS)を提供していたAmazonクラウドは、Amazon RDSに自動フェイルオーバーによる可用性を実現したオプション「Multi-AZ Deployments」を追加したと、ブログ「Amazon RDS - Multi-AZ Deployments For Enhanced Availability & Reliability」で明らかにしました。

Amazon Web Services Blog: Amazon RDS - Multi-AZ Deployments For Enhanced Availability & Reliability

データベースの計画停止がなくなる

これまでのAmazon RDSは、MySQLがあらかじめインストール済みですぐに利用できると同時に、MySQLにパッチを当て最新に保つとともに、バックアップもしてくれるサービスでした。

今回の「Multi-AZ Deployments」はそれに加え、プライマリで利用しているMySQLサーバとは別のAvailability Zone(アベイラビリティゾーン)にセカンダリのMySQLを自動的に立ち上げ、リアルタイムでデータ同期を行い、プライマリに障害があった場合には自動的にセカンダリへとフェイルオーバーすることで可用性を実現するオプションです。

fig Amazon RDSのMulti-AZ Deploymentsを解説した図。ブログから引用。

また、Amazon RDSではMySQLにパッチを当てる作業やデータベースのバックアップのための計画停止が行われていますが、Multi-AZ Deploymentsを利用することで、プライマリにパッチを当てる際には際には自動的にフェイルオーバーが行われセカンダリへと切り替わり、またバックアップは同期されているセカンダリに対して行われるため、データベースの計画停止がなくなり、アプリケーションからはつねにオンライン状態で稼働を続けることができるようになります。

ちなみにアベイラビリティゾーンとは、Amazonクラウドのデータセンターの区画で、アベイラビリティゾーンごとに電源や空調などがそれぞれ独立しているため、あるアベイラビリティゾーンでの障害がほかのアベイラビリティゾーンに影響を及ぼすことは基本的にないことになっています。

MySQLのエンタープライズ市場での価値向上にもつながる

Amazon RDSとMulti-AZ Deploymentsを組み合わせることで日々のバックアップやパッチ当て、障害対応などをすべてAmazonクラウドにまかせることができるようになります。いままでパッチ当てやバックアップのために休日出勤をしていたり、障害対応で深夜などに不意の呼び出しを受けていた多くの技術者はこうした束縛から解放され、より生産的な作業に取り組むことができるようになるでしょう。と同時に企業にとってもシステムの運用コスト削減が実現できるはずです。

可用性の高いリレーショナルデータベースの運用サービスは、企業向けのクラウドでは重視されており、マイクロソフトのWindows Azureやセールスフォース・ドットコムのForce.comでは、自動フェイルオーバー、バックアップフリー、パッチフリーの運用をすでに実現していました。

Amazonクラウドが同様のサービスをMySQLをベースにして提供開始したことで、Amazonクラウドがエンタープライズ向けクラウドとしての存在感を高めるだけでなく、MySQLもエンタープライズ向けデータベースとして今まで以上に注目されるようになるかもしれません。


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タグ : Amazon , MySQL , クラウド , リレーショナルデータベース

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