HTML5とSilverlight 5、マイクロソフトは両者をどう差別化しようとしているのか?

2011年4月7日

SilverlightはVisual StudioやWindowsなどマイクロソフトの技術と連係したリッチな体験やツールの提供と、Windows Phoneの開発プラットフォームとして位置づける。HTML5は多くの用途に利用でき、重要さが増すクロスプラットフォームの技術としてこれからもコミットしていく。

The Silverlight Blog - Standards-based web, plug-ins, and Silverlight

マイクロソフトは4月4日付けのSilverlight Team Blogにて、HTML5を中心とするWeb標準が進化し、マイクロソフトもそれにコミットしていく中でSilverlightをどう位置づけていくのかに関する長文の記事「Standards-based web, plug-ins, and Silverlight」をポスト、上記のように両者を位置づけることをあらためて表明しています。

しかもこの記事は、同社のプラットフォームや開発部門をリードする3人のエグゼクティブ、デベロッパー部門担当のシニアバイスプレジデントS. Somasegar氏、.NETプラットフォーム担当バイスプレジデントのScott Guthrie氏、デベロッパープラットフォーム&エバンジェリズム担当バイスプレジデントのWalid Abu-Hadba氏が連名で署名したもの。

来週にはWebデベロッパー向けの同社のイベントMIX11が予定されており、新バージョンであるSilverlight 5の発表と、Internet Explorer 9でのHTML5対応に続くさらなるHTML5へのコミットメントが表明される予定です。

この記事はそれに向けてあらためて同社のHTML5とSilverlightのそれぞれの位置づけについて明確にしておきたいという意図のもとに書かれたものですが、どちらかといえばHTML5の登場で存在意義に疑問を抱かれているSilverlightについての継続を強調したものになっています。ポイントを見ていきましょう。

Silverlightはリッチな体験と機能を提供する

冒頭に彼らのSilverlghtとHTML5についての認識が箇条書きでまとめられています。

Silverlightブログに書かれた記事ですから、視点はSilverlight寄りになっており、Silverlightへの継続的なコミットメントが行間から読み取れます。

クロスプラットフォームの広がりで標準の重要性は高まった

一方でHTML5についてマイクロソフトは、Silverlightの最初のバージョンをリリースしたときと現在では状況が変わっており、それによってHTML5の位置づけは次のように変わったと書いています。

First, the world has changed from one in which people used a single device (primarily a PC) to one in which they use several, and many of the experiences on those devices are web-enabled in some form or fashion. Given that user experience is now a multi-device (i.e., cross-browser/cross-platform) experience, standards and reach play a more important role than ever, both for users and developers.

まず1つは、ユーザーの利用形態が(PCを中心とする)シングルデバイスから、いくつかのデバイスにおいてWebを用いた多くの体験に変化したことがある(クロスブラウザ/クロスプラットフォーム)。標準とその対応はユーザーにもデベロッパーにも以前よりずっと重要なものとなった。

Second, the evolution and maturity of web standards have resulted in HTML5 that will support many of those rich scenarios that previously required plug-ins. The market momentum behind adoption of HTML5 as the path forward for broad cross-platform reach continues to gather momentum, and with Internet Explorer 9 Microsoft is chief among those leading that charge.

2つめは、Web標準の進化と成熟の結果、HTML5では以前はプラグインで実現していたような多くのリッチなシナリオをサポートできるようになった。HTML5の採用が勢いづいている背景には、クロスプラットフォーム対応が続いていることがあり、Internet Explorer 9でマイクロソフトはその先頭を担っている。

この記事は非常に長いので、記事のどこをとりあげるかによってニュアンスは変わってきますが、全体としてはここにあるようにHTML5の役割は広がっており、Silverlightはその中でマイクロソフトテクノロジーを積極的に活用するための選択肢である、というトーンになっています。

ただし、Silverlightが具体的にどう進化していくのかについては語られていません。そこが少し説得力を弱めているような気がしますが、それはMIX11で発表するSilverlight 5を見てくれ、ということなのでしょう。

平たくいえば、HTML5対応はこれからもどんどん進んでいくけれども、Silverlightへの投資も止めないので安心してくださいという、いままでのメッセージを繰り返しています。最後は、冒頭の言葉を繰り返してこう結ばれています。

Finally, so our emphasis is clear—over the coming months we’ll be particularly demonstrative of our emphasis on HTML5, in Internet Explorer and in tools. HTML5 is a solution for many scenarios, but developers should make the appropriate choice based on application needs, knowing that we have a heritage and a future vision of supporting a wide variety of technologies to meet those needs.

最後に、わたしたちが強調したいことは明確である。これから数カ月の間、私たちはInternet ExplorerやツールにおけるHTML5対応についてとりわけ宣伝を行うことになるだろう。HTML5は多くのシナリオで使えるソリューションだが、デベロッパーはアプリケーションのニーズによって、多くの既存技術や今後の幅広いテクノロジーの中から適切なものを選んでいくべきであろう。

Publickeyでは来週のMIX11における発表について詳しくカバーする予定です。

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タグ : HTML5 , Microsoft , Silverlight , Web標準



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