[速報]マイクロソフト、Windows AzureのVM Role発表、FacebookやYahoo! IDでも認証可能に。PDC10

2010年10月29日

マイクロソフトは10月28日(日本時間10月29日)、シアトルの本社で開発者向けのイベント「PDC10」を開催しました。

PDCでは毎年、同社のOSや開発ツールなどに関する新製品、新機能の発表が行われるイベント。今年の主なトピックは現在開発中のInternet Explorer 9、Windows Phone 7、そしてWindows Azureの新機能など。

この記事では、その中からInternet Explorer 9とWindows Azureに関してその内容を紹介します。

IE9ではサイトがアプリケーションのようになる

同社CEOのスティーブ・バルマー氏が登場。

今年のPDCはいままでで最大、世界中で3万人に対してネット経由でブロードキャストしている。

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Internet Explorer 9では、HTML5の標準に対応する。その上で、アプリケーションとWebサイトをユーザー体験のうえでどのように統合していくか、Webサイトがネイティブなアプリケーションのように感じられるようにしていく。

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GPUによるアクセラレーション効果を示すために、Canvasでダイナミックなユーザーインターフェイスを表示しつつ、背後に動画を表示。

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IE9でタブをタスクバーにドロップすることで、サイトをタスクバーに「ピン」できる。また、ピンしたWebサイトを開くと、IE9のボタンはWebサイトの色になるなど変化する。

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アプリケーションのためのプラットフォーム

Windows Azureの説明に登壇したのは、ボブ・マグリア氏。

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今日はクラウドのPlatform as a Service、PaaSを中心に説明していく。アプリケーションが向かうのがその方向だからだ。

既存のプラットフォームと、PaaSはどう違うのか?

既存のプラットフォームでは、仮想サーバ、ネットワーク、ストレージなどの構成を考えなくてはならないし、パッチやOSのバージョンを気にしなければならない。

また、このライブラリを持ってくる、このサービスを使う、といった組み合わせも考えなければならないし、ワークロードのピークも考えなくてはならない。

しかしクラウドのPaaSを使うとこうした管理は不要になり、アプリケーションの開発に集中することができるようになるのだ。

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そしてPaaSのOSとはWindows Azureである。Windows Azureはサービスを使うための、統合化された包括的なプラットフォームである。全体が連係して動くように設計されており、スケーラブルでもある。

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クラウドは何を提供しなければならないのか? スケーラブルでマルチテナントなサービスの提供だ。Windows Azureの要件も、SQL Azureの要件もそれである。

その上で、プログラミング言語も、フレームワークも、開発ツールも、データセンターも選ぶことができる。JavaもPHPも選択できる。

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これらはすべて、アプリケーションのためである。みなさんのアプリケーションがうまくいくようにすることだ。

Windows Azureで既存のアプリケーションを動かす技術

Windows Azure上で既存のアプリケーションを動かす技術を2つ発表する。Windows Azure Virtual Machine Role(VMRole)と、Server Application Virtualizationだ。

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VMRoleは、既存のWindows Serverアプリケーションを、そのまま変更なしにWindows Azureのうえで動かすことができる。

Server Application Virtualizationは、アプリケーション仮想化のApp-Vの技術をWindows Azureで使えるようにした。既存のアプリケーションを仮想化してインストールプロセスをとばしてWorker Roleに持って行き、動かすことができる。

これらの新機能は年末頃に登場予定。

さらに、フルIIS機能のサポートなどもサポートする。これでWindows AzureからのIIS動画ストリーミングができるようになる。また、Web Role、Worker Role、VM Roleからリモートデスクトップが使えるようになる。

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Windows AzureのWeb Roleからリモートデスクトップを利用したデモ画面

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Facebook、Yahoo! IDなどでWindows Azureが認証可能に

AppFabricの機能として、Access ControlでWindows Live ID、Goole ID、Yahoo! ID、FacebookなどがWindows Azureの認証として使えるようになる。キャッシュ、メッセージングのサービスバス機能なども入る。SQL Azureではレポーティングサービス、オンプレミスとのデータ同期サービスなども入る。

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Facebookでのサインインを、Windows Azureの認証に使える。

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Windows Azure Marketplaceも発表する。データやアプリケーションのためのマーケットで、今日からデータマーケットが利用可能になる。データはOData経由で提供される。

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Tags: Microsoft Azure クラウド Microsoft

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Junichi Niino(jniino)
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