フラッシュストレージはまだ高価か? 寿命は? Pure StorageとViolin Memoryに聞く

2013年1月23日

1月21日と22日に相次いで日本市場への本格参入を発表した、進行フラッシュストレージベンダのPure StorageとViolin Memory。来日したそれぞれのエグゼクティブに、市場の状況、フラッシュストレージの価格競争力などを聞きました。

「競合の9割はEMCやNetAppだ」 Pure Storage

Pure Storageの特徴は、デデュープや圧縮を用いてフラッシュストレージの経済性を高めた点です。スコット・ディッゼン CEOには、大手ストレージベンダとの競合について、そしてストレージの信頼性などについて聞きました。

fig Pure Storageのスコット・ディッゼン CEO。これまでBEAシステムズ CTOやZimbra CEOなどを歴任。ちなみに新野にとって8年ぶりのインタビューとなった

──── 他のフラッシュストレージベンダよりも、EMCやNetAppといった既存の大手ストレージベンダだと競合していると思いますが、これらの競合をどう見ていますか?

ディッゼン氏 たしかに現在、私たちの競合の9割はEMCやNetAppだ。既存のストレージベンダの製品に依存してきた顧客は、そろそろストレージを刷新したいと考えており、また仮想化やデータベース運用上の問題も感じている。

そこで私たちPure Storageに声がかかる。競合のフラッシュストレージベンダはまだ製品価格が高いからだ。私たちの製品にマイグレーションしていただいた顧客は、性能と同時に、レガシーな製品と比較して価格も魅力的なため満足していただいている。

私たちにとって不利なのは、会社がまだ小さいために顧客の選択肢に入らないことがある。そこで日本では東京エレクトロンデバイスと組んで、多くの方に製品の存在を知ってもらえるようにした。

──── プライマリストレージにおいて、インラインデデュープを採用した製品が成功した例は過去になかったと思います。御社の製品ではなぜ成功すると考えているのですか?

ディッゼン氏 ディスクドライブでは、インラインデデュープをプライマリストレージに使えるほど十分性能が出なかったためだ。例えばデデュープの対象となるセグメントが5つあるとしたら、6回のディスクI/Oが発生する。ディスクドライブのI/Oにかかる時間の95%はディスクの回転待ちだ。特にランダムアクセスにおいてディスクドライブは高性能とはいえない。

しかしフラッシュではランダムアクセスのペナルティはなく、並列処理もできる。しかもフラッシュで比較的時間のかかるデータの書き込み処理が、インラインデデュープすることで同じデータを複数回書き込むことがなくなるため、さらに性能が出るのだ。

──── データ圧縮における信頼性は?

ディッゼン氏 私たちは100%ロスレスのアルゴリズムを採用しており、デデュープでもバイトごとの比較を行っているため、ハッシュの衝突によってデータを失うことはない。

──── フラッシュチップの信頼性や寿命についてはどう考えていますか?

ディッゼン氏 過去3年の経験で、フラッシュデバイスの信頼性が当初の想定よりもずっと高いことに私たちも驚いている。数千というストレージでサムソンや東芝のSSDを使ってきたが、特定のドライブが障害を起こしたのは一桁台だ。信頼性はディスクドライブよりも高いのではないか。

寿命についても、当初の想定より長い。私たちの会社は出荷済みのシステムの多くからフィードバックを得るためにリモートでステータスをもらっているが、それを見ているとフラッシュチップの摩耗の具合は非常に遅く、私たちの想定はかなり保守的だった。

──── 御社のストレージは従来の共有ディスクアレイより導入や運用が簡単だという説明がありました。なぜですか?

ディッゼン氏 ディスクストレージでは、性能を引き出すために多くの複雑性を抱えている。例えばRAID3にするかRAID5にするかといったRAID構成の選択や、キャッシュの割り当てをどうするか、ボリュームやスピンドルの割り当てをどうするか、などだ。

しかしPure Storegeではこうしたことは不要だ。既存の共有ディスクアレイと比較して、軽く10倍はシンプルだと顧客に評価さえている。

「フラッシュの価格は12カ月で半分になる」Violin Memory

Violin Memoryはフラッシュストレージでミッションクリティカルな基幹ストレージの置き換えを狙っています。ソフトウェア担当CTO ジョナサン・ゴルディック氏に、フラッシュデバイスの価格の見通しなどを聞きました。

fig ヴァイオリン・メモリー 代表取締役社長 安田稔氏(左)、Violin Memory ソフトウェア担当CTO ジョナサン・ゴルディック氏(右)

──── Fusion-ioのような、PCIeに接続するフラッシュストレージについてどう考えていますか?

ゴルディック氏 PCIe接続のフラッシュストレージの市場では、Fusion-ioは明らかにリーダーだ。彼らの製品と私たちの製品は共存すると思う。例えば、Facebookのようなオンラインサービス系のバックエンドでは、処理を複数台のサーバに分散することがよく行われている。そういう処理ではサーバ内蔵型のPCIeフラッシュストレージが向いているだろう。また分散したサーバそれぞれにデータをキャッシュするといった用途にも向いている。

しかしエンタープライズアプリケーションはそういった処理をするようにできていないし、、信頼性が求められるようなエンタープライズ向けのストレージ、ミッションクリティカルだったりディザスタリカバリが求められる共有ストレージアレイの分野にもPCIe接続のフラッシュストレージは向いていない。

私たちの製品の方が、エンタープライズ分野、ミッションクリティカルが求められる分野に向いている。

──── フラッシュデバイスの価格は安くなったとはいえ、まだハードディスクと比較すれば高価です。それでもフラッシュ製品を導入するのは、どのような顧客なのでしょうか?

ゴルディック氏 まず価格についていえば、フラッシュデバイスの価格は12カ月ごとに半分になっている、これがこの先も続いていくだろう。すでに私たちの製品はディスクストレージの価格に近づいてきており、この先もさらに安くなるということだ。また、私たちの製品は競合と比較して使用するフラッシュチップが少なくすむようになっており、これも競争力の一部だ。

さらに、フラッシュデバイスはハードディスクと比べて消費電力も発熱も小さく、サイズも小さい。電気代や空調費などをトータルでみると、あるオンライン企業では4年でフラッシュストレージの方がディスクストレージよりコストが安くなると試算された。

ストレージ担当は容量あたりの単価でコストを考えがちだが、私たちはアプリケーション担当やCTOにアプローチしている。というのも、少ないサーバで高い性能を発揮できればサーバ台数が減り、その分ソフトウェアライセンスやメンテナンスコストが削減でき、トータルの導入コストや運用コストが安くなるためだ。

フラッシュストレージは十分な価格競争力があると考えている。

──── ヴァイオリンメモリーという名前はユニークですが、由来は?

ゴルディック氏 それはみんなに聞かれる質問だ(笑)。私が名付けた訳ではなく、諸説あるのだけれど、創業者がバイオリンコンチェルトを聴いているときに思いついた、というのがいちばん有力な説だ。

両社とも「Fusion-ioとは共存する」

両社ともに市場での競合について聞いたところ、共通していたのはサーバサイドフラッシュのFusion-ioとは共存する、との答えが返ってきました。この点はとても興味深いところです。

前述のViolin Memoryのインタビューに加え、Pure Storageのスコット・ディッゼンCEOは次のように答えています。「Fusion-ioとは共存すると思う。実際にFusion-ioをキャッシュとして使い、私たちの製品をデータストレージとして使う顧客がいる。また、クラウドでも共有ストレージがデータを格納するストレージになると考えている」

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タグ : SSD , ストレージ , フラッシュストレージ



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