Salesforce Functionsがベータ公開、Salesforceプラットフォームでサーバレスを提供

2021年6月30日

Salesforce.comは、Salesforceプラットフォーム上の新サービスとしてサーバレスコンピューティングを実現する「Salesforce Functions」のベータ公開をSummer '21リリースで行うことを明らかにしました

Salesforce Functions登場以前から、Salesforceのプラットフォーム上では同社独自のApex言語などによってアプリケーションを構築できます。しかしマルチテナントアーキテクチャによって複数のテナントがコンピューティングリソースを共有する同社のプラットフォームの性質上、特定のテナントが一定以上プラットフォームのリソースを占有しないように、Apexの実行には「ガバナ制限」と呼ばれる制限が設けられています。

ガバナ制限には、発行されるSOQLクエリの合計数、取得されるレコードの合計数などの制限の他、処理にかかる最大のCPU時間にも制限がかかっており、最大10秒までとなっています。

そのためApexでは時間のかかる大規模なデータ分析が事実上行えません。

Salesforce Functionsではこうした制限がなく、スケーラブルかつ長時間の処理も可能です。

一般にAWS Lambdaなど一般的なサーバレスコンピューティングは、イベントドリブンなアプリケーションを開発することを目的に利用されます。Salesforce Functionsでもあらかじめユーザーが定義した関数をデプロイし、それを呼び出して処理を行う仕組みは同じですが、一方で時間のかかる計算処理やデータ分析などにも用いられることが想定されるなど、ほかのサーバレスコンピューティングとはやや異なるユースケースまで守備範囲になっているといえそうです。

Salesforce Functionsでは、Node.js/JavaScript、Java、Apexでプログラミングが可能。データベースとしてPostgreSQL、Redis、kafkaのマネージドサービスが提供されます。

Salesforceプラットフォームなどのイベントによる関数の実行や、外部HTTPアクセスからの呼び出しにも対応します。

前述の通り、Salesforce FunctionsはSummer '21リリースでベータ公開となり、正式リリースはWinter '22リリースの予定です。

あわせて読みたい

クラウド サーバレス Salesforce




タグクラウド

クラウド
AWS / Azure / Google Cloud
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウドのシェア / クラウドの障害

コンテナ型仮想化

プログラミング言語
JavaScript / Java / .NET
WebAssembly / Web標準
開発ツール / テスト・品質

アジャイル開発 / スクラム / DevOps

データベース / 機械学習・AI
RDB / NoSQL

ネットワーク / セキュリティ
HTTP / QUIC

OS / Windows / Linux / 仮想化
サーバ / ストレージ / ハードウェア

ITエンジニアの給与・年収 / 働き方

殿堂入り / おもしろ / 編集後記

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本