AWS、Macインスタンスの仕組みを説明。市販のMac miniをそのままラックに組み込みThunderbolt経由でストレージやネットワークへ接続。AWS re:Invent 2020

2020年12月11日

Amazon Web Services(AWS)は、開催中のオンラインイベント「AWS re:Invent 2020」のインフラストラクチャーキーノートにおいて、12月1日に発表したばかりの「Macインスタンス」の仕組みについて説明しました。

参考:[速報]AWS、クラウド基盤にMac mini(Intel)を組み合わせた「Amazon EC2 Mac instances for macOS」発表

グローバルイングラストラクチャ&カスタマサポート担当シニアバイスプレジデント Peter DeSantis氏。

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DeSantis氏の後ろのスクリーンには、ラックのトレイ上に市販のインテル版Mac miniがそのまま組み込まれた写真が映されました。

「どうやってMacをEC2インスタンス化したのか? 本物のMacがラックのトレイにそのまま組み込まれているのがご覧いただけるだろう」(DeSantis氏、以下同じ)

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Mac miniから伸びているケーブルが、さらに同じトレイの基盤上にあるNitro Systemのコントローラに接続されている様子も写真で紹介されました。

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「Macインスタンスは、Mac miniとNitroコントローラの組み合わせによって実現された」

Nitroコントローラとは、I/O機能やセキュリティ機能をサーバからオフロードするAWS独自のシステム。これによりサーバはそれらの余計な処理から解放され、セキュアなコネクションを維持しつつ、ワークロードの実行に能力を100%発揮できるようになるというものです。

参考:Amazon EC2の最新基盤として「VMware Cloud on AWS」や「EC2ベアメタル」の実現にもつながったAWSの「Nitro System」とは?

「ご覧の通り、われわれはMacのハードウェアには何も変更を加えていない。シンプルにNitroコントローラをMacのThunderboltにつなげているだけだ。

Macインスタンスを起動すると、Mac mini上でMac互換のAMI(Amazonマシンイメージ)が立ち上がる。ハイパーバイザはない。

Nitro Systemコントローラはインスタンスの起動を感知すると、アタッチされるネットワークやストレージに対するセキュアなコネクションを提供する。これによりMac miniはAWSのサービスすべてにアクセスできる」

「これらはMac miniの外部で実現されるため、Mac miniの能力はデスクトップで使われているときと同様に、ワークロードの実行のためだけにすべて使われる」

つまりMacインスタンスを提供するAWSのデータセンターの中には、Mac miniが大量に組み込まれたラックがずらりと並んでいることになります。

Macインスタンスが発表されたときに公開された動画のこのシーンはジョークなのかと思っていたのですが、実は(この動画自体は演出だったとしても、大量の市販のMacをそのまま使うという描写は)本当だったようです。

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AWS re:Invent 2020:バックナンバー

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Junichi Niino(jniino)
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