Kubernetes上でサーバレス環境を実現する「KEDA」がCNCFのプロジェクトに採用。サーバレスの標準化は進むか

2020年4月8日

マイクロソフトとRed Hatが中心となって開発してきた「KEDA」(Kubernetes Event-driven Autoscaling)が、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)のプロジェクトに採用されたことが発表されました

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CNCFはKubernetesをはじめとするクラウドネイティブのためのオープンソースソフトウェア開発をホストする団体です。

KEDAは、Kubernetesのうえでイベントドリブンなオートスケールを実現することで、コンテナを用いたサーバレスコンピューティングの仕組みを提供するソフトウェア。

Kubernetesにも、オートスケール機能がありますが、これはCPUやメモリの負荷に反応してコンテナのスケールアウトやスケールインを実行するものです。

一方、KEDAは、例えばAWSが提供するキューのサービスであるSQSやGoogle CloudのPubSub、Azure Event Hubs、Kafka、RabbitMQなどに対応し、これらのキューのメッセージの数やPubSubのメッセージの数などに応じて、対応するコンテナをスケールさせます。

これらのキューやPubSubにメッセージがたくさん送られると、それに応じてKEDAがコンテナをたくさん起動し、あらかじめスケールアウトさせておくことができます。メッセージがなくなればKEDAはコンテナをゼロにまで縮退させます。

つまりKEDAは、Kubernetesの基本的な機能であるCPUやメモリの負荷に応じたスケールアウトやスケールインよりも前のタイミングで、イベントドリブンにスケールアウト/スケールインが可能なのです。

これによってKEDAはKubernetes上でサーバレスコンピューティングを実現する基本的な機能を提供します。

サーバーレスコンピューティング環境はいまのところ「AWS Lambda」や「Azure Functions」などのクラウドごとに実装が分かれていますが、ベンダロックインにつながることもあってオープンな業界標準の登場が期待されてもいます。

Kubernetes上でサーバレスコンピューティング環境を実現するオープンソースソフトウェアとしては、Googleが開発を主導するKnativeがよく知られています。KnativeはいまのところCloud Native Computing Foundationに加わらない方針が明らかになっています。

いままでサーバレスコンピューティング環境のオープンな業界標準として一定の期待を集めていたKnativeが独自路線を示す一方で、今回、クラウドネイティブの分野で大きな影響力のあるCNCFのプロジェクトとしてKEDAが採用されたことは、今後のサーバレスコンピューティングの標準化に向けた1つのトピックといえるかもしれません。

いずれにせよ、まだまだオープンな業界標準に到達するには時間がかかりそうではありますが。

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