OpenStackでDockerコンテナのネットワークを実現する「Project Kuryr」が登場。OpenStack Summit Tokyo 2015

2015年10月28日

都内で開催中のOpenStack Summit Tokyo 2015。2日目の基調講演では、OpenStackのネットワーキング機能を実現する「Neutron」が最もアクティブなプロジェクトとして紹介されました。

コンテナのネットワーキングをNeutronと連係させるための新しいプロジェクト「Project Kuryr」も登場。基調講演の内容をダイジェストで紹介しましょう。

OpenStackでいま最もアクティブなのはNeutron

OpenStack Foundation COO Mark Collier氏。

fig

先日リリースした12番目のOpenStack、Libertyでは、数多くある開発プロジェクトの整理の仕方を変えました。このことは昨日の基調講演でもお話しました。

新しい整理はユーザーに分かりやすいよう、ほとんどのOpenStackの利用者が使う「Core Services」、すべてのユーザーに必要というわけではないが、選択できる「Big Tent」に分かれます。

fig

こうしたOpenStackプロジェクトの中で、最もアクティブなのはどれだと思いますか? Nova? Neutron? 実はNeutronです。驚きですね(Neutronはネットワーク機能を提供するOpenStackのコンポーネントの1つ)。

fig

ただしアクティビティ以上に重要なのは結果です。いまから1年前の調査ではOpenStackユーザーの68%がNeutronを使っていました。一方で最近のアンケートによると、現在では89%とほとんどのユーザーがNeutronを採用しています。

1年間でこれだけのことが実現できたのは、多くの人の努力のおかげです。すばらしいですね。

ネットワーキングはなぜこれほどホットなのでしょう? それはネットワーキングの自動化が難しいこと、そして今こそネットワーキングの時代としてSDN(Software-Defined Networking)が本気で考えられ始めているからです。

NFV(ネットワーク機能仮想化)も非常に大きな投資が行われている分野です。これらによって、テレコミュニケーション、キャリアの世界を完全に変えてしまうでしょう。

ここでNeutronに関わってきた人の話を聞くことにしましょう。

Neutronの歴史と「Project Kuryr」の登場

Neutron Project Team Lead Kyle Mestery氏。

fig

(Neutronの前身となる)Quantumは2011年頃、OpenStackにネットワーキングAPIが必要だと考えた人たちによって話し合いがもたれ、始まりました。

2012年のFolsomの一部としてQuantumが登場。2013年にはQuantumの名前がNeutronに変わります。

Neutronのデザインゴールは、ロジカルなAPIとプラグインによる拡張です。Neutronのコア自体は小さくしておきたい。

これによっていま600以上のプラグインやドライバのエコシステムが実現できました。

Neutronが実現する抽象化の機能について見ていきましょう。Neutronの上部には仮想マシンやベアメタルがあり、それらのネットワーク機能はすでに抽象化されています。

Neutronには、3つのネットワーク関連のコアがあります。仮想ポート、仮想ネットワーク、仮想サブネットです。

これらの抽象化はパワフルで、こうした複雑なものも実現できます。

fig

そこで、これをさらに強化するため、Neutron API Extensionsを実現しました。

どんなサービスを追加できるか。ロードバランサー、VPN、ファイアウォールもあります。

fig

そんなわけでNeutronの開発は順調で、チームも拡大しています。l

そしていま、誰もがコンテナに注目しています。ベアメタル、仮想マシン、コンテナをつなぐのはネットワーキングです。

Dockerチームが取りかかっているネットワーキングがlibnetworkです。そしてこれはコンテナのネットワークを抽象化します、というのをどこかで見たことがありますね? Neutronに似ています。

そこで「Project Kuryr」が登場します。これはlibnetworkとNeutronを結びつけることを狙っています。Neutronをコンテナのネットワークにも使えるようにするのです。Magnum(OpenStackでコンテナを扱うためのコンポーネント)とも統合できます。

fig

このエントリーをはてなブックマークに追加
follow us in feedly

タグ : OpenStack , Software-Defined Network , ネットワーク



≫次の記事
Oracle、Docker対応クラウド「Oracle Container Cloud」発表。IaaSの新機能「Oracle Elastic Compute Cloud」も。Oracle OpenWorld 2015
≪前の記事
「OpenStack Summit Tokyo 2015」が開幕。基調講演にYahoo!、NTTグループなどが登場、「OpenStackはデータセンター抽象化のコア」(後編)

Loading...

Blogger in Chief

photo of jniino Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。新しいオンラインメディアの可能性を追求しています。
詳しいプロフィール


Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed



Publickey 最新記事 10本

Publickey Topics 最新記事 10本


PR - Books


fig

fig

fig

fig



blog comments powered by Disqus