VMware、Nicira製品を「VMware NSX」としてvCloud製品群に統合、今年後半リリース

VMwareのPat Gelsinger CEOは3月13日、投資家向けの説明会で2013年の戦略を発表。戦略の柱としてSoftware-Defined Datacenterの実現、ハイブリッドクラウドの提供、マルチデバイスへの対応の3つを挙げたうえで、昨年買収したNicira製品を同社のvCloud製品群に統合し、「VMware NSX」という名称で今年後半にリリースすると発表しました。

VMware Outlines Corporate Strategy, Innovations Across Software-Defined Data Center, Hybrid Cloud and End-User Computing

Today, the company revealed its intentions to merge the VMware vCloud Networking and Security™ product line with the Nicira Network Virtualization Platform (NVP) into a single product family based on a common technology foundation, to be named VMware NSX.

本日、当社はVMware vCloud Networking and Security製品とNicira Virtualization Platform（NVP）を統合し、共通の基本技術基盤を持つ1つの製品群とする意向であることを発表します。名称は「VMware NSX」となる予定です。

VMware NSXはVMwareのハイパーバイザだけでなく他社のハイパーバイザにも対応し、ネットワーク仮想化などを実現するとのこと。

VMwareの2013年の戦略、3つの柱

同社はサーバ仮想化に加え、昨年買収したNicira、今年買収したVirstoなどによって、Software-Definedなネットワークやストレージを実現するための製品群を揃え、最終的にはデータセンター全体をソフトウェアで構成する「Software-Defined Datacenter」の実現を戦略の柱の1つに据えています。

VMware NSXの提供は、その戦略を製品として具現化するマイルストーンの1つになるでしょう。

戦略の2つ目の柱は「Delivering the Hybrid Cloud」（ハイブリッドクラウドの提供）と説明されています。VMwareの強みは企業向けの仮想化基盤ソフトウェアであり、つまりオンプレミスやプライベートクラウド市場におけるリーダー的地位です。一方でAmazonクラウドを筆頭にパブリッククラウドもエンタープライズ市場で大きな影響力を持ち始めています。VMwareがこれに対抗するには、自社の強みであるプライベートクラウドを足がかりにパブリッククラウドを利用するハイブリッドクラウド戦略が鍵になることは明らかです。

VMwareはハイブリッドクラウド専門の部隊を編成し、サービスを提供すると発表しています。

VMware expects to launch VMware vCloud® Hybrid Service™ later this year and intends to make it available through its existing channel, working with its extensive partner ecosystem to accelerate customers’ journey to the cloud.

VMwareは今年後半にもVMware vCloud Hybrid Serviceの立ち上げを予定しています。これは顧客のクラウドの実現を加速するためのパートナーエコシステムと協業し、既存のチャネルを通して提供される予定です。

戦略の3つ目は「Empowering the Multi-Device Era」（マルチデバイス時代を促進）です。これは仮想デスクトップなどを実現するVMware Horizon関連の製品群によって推し進められていく見通しです。