クラウド導入の壁は相変わらず「セキュリティ」がトップ。国内の2つのアンケート結果から

2012年3月29日

どれだけの企業がすでにパブリッククラウドを導入しているか、もしくは計画しているか。そしてパブリッククラウドの導入で懸念することとは何か。サイボウズとITmediaのTechTargetが相次いでアンケート結果を発表しました。それぞれの結果を見てみることにしましょう。

TechTargetは2月22日付けの記事「パブリッククラウド調査結果、セキュリティが不安な一方で3割は導入に前向き」で、2012年1月24日から2月9日にかけて行ったアンケート結果を記事にしています。Webによるアンケートで、有効回答数は312件。主にPaaS/IaaSを想定した質問になっています。

サイボウズは昨年12月に行った同社主催の「経営戦略×クラウド」シンポジウム来場者に対するアンケート結果を公開しています。有効回答数は222件。こちらは主にサイボウズのイベントに集まった人が対象のため、クラウドとしてSaaS/PaaSが念頭にあると考えられます。

クラウドに前向きな割合は?

両者の質問事項は似通っているため、結果を並べて見ることにしましょう。この記事のグラフは、両者の結果を元に独自に作成したものです。

まず、クラウドを導入しているか? 今後の予定はあるか? について、左がTechTargetのアンケート結果、右がサイボウズのアンケート結果です。

fig クラウドの導入状況について。左がTechTargetのアンケート結果、右がサイボウズのアンケート結果。

TechTargetの結果では、「導入済み(15%)」と「導入予定(13%)」を合わせたクラウドに前向きな割合は28%。一方サイボウズの結果では、「一部利用している(27%)」、「1~2年以内(8%)」と「調査中36%)」を合わせると、71%もの回答者がクラウドに前向きです。

しかしサイボウズの方は、クラウド関連のシンポジウム来場者に対するアンケートだったためクラウドに前向きなのは当然で、この数字には相当バイアスがかかっていると見るべきです。TechTargetの結果の方が一般の割合に近いと考えられます。

クラウド導入の懸念は?

クラウド導入に関する懸念を質問した結果、どちらの調査でもトップになったのが「セキュリティ」でした。上がTechTargetの結果、下がサイボウズの結果です。

fig クラウド導入の懸念は? TechTargetのアンケート結果。複数回答のため%の数字が大きい
fig クラウド導入の懸念は? サイボウズのアンケート結果

TechTargetの結果では、セキュリティに続く2位も不正アクセスとセキュリティ関連、3位も4位もセキュリティ関連の項目といえます。それに続いて、運用状況、コストとなっています。

サイボウズの結果を見ると、セキュリティに続く2位がコスト、3位が社内システムとの連係。

両者の違いは、IaaS/PaaSを想定するか、PaaS/SaaSを想定するかの違いではないかと思われます。IaaS/PaaSはランニングコストが比較的安い代わりに、セキュリティの細かい部分の懸念と運用の手間が懸念となり、PaaS/SaaSはセキュリティも運用もおまかせできる代わりにコストが心配。こう読み取れないでしょうか。

このエントリーをはてなブックマークに追加
follow us in feedly

タグ : 調査結果



≫次の記事
日本オラクル、ついに国内でパブリッククラウドの提供を開始。「Fusion Applications」をSaaSで
≪前の記事
NTTコミュニケーションズが「Cloudn」でパブリッククラウド本格参入。個人も利用可能で月額945円から、Amazon互換API、日米データセンター展開など

カテゴリ



Blogger in Chief

photo of jniino Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed



新着記事 10本


PR - Books


fig

fig

fig