企業向けのGoogle Wave対抗「12sprints」を開発中、SAP

2010年1月19日

SAPが現在開発中のツール「12sprints」は、「Google Waveのライバル」になると海外のメディアで報道されています。そして12sprintsはクラウドで提供される見通しとされています。

12sprints Beta - Powered by SAP

12sprintsは現在エクスクルーシブ・ベータの段階で、一般の利用者は試すことはできませんし、リリース時期も発表されていません。SAPは次世代の企業内コミュニケーションツールとしてどのようなものを考えているのでしょうか? その姿を、少し探ってみましょう。

コラボレイティブ・ディシジョンメイキングのためのツール

SAPのデベロッパーリレーション担当Robert Horne氏は、12sprintsについてブログ「12Sprints for Developers」の中でこう書いています。

12sprints is part of a new product category called collaborative decision-making.

12sprintsは、コラボレイティブ・ディシジョンメイキングと呼ばれる新しいカテゴリに属するプロダクトだ。

また、SAPのTimo Elliott氏もブログ「SAP Web 2.0 Resource Site」でSAP's 12sprints Collaborative Decision-Making Prototypeというエントリを書いています。

12sprintsのWebサイトには、次のような説明があります。

A Virtual War Room

It's not just a place where things get discussed. It's where things get done. Invite the right people from inside and outside your company. Bring in the pertinent data. And choose the most informed course of action with the help of pre-defined, interactive decision-making tools.

バーチャル司令室

これはディスカッションの場ではありません。それを終わらせるための場所です。 適切な人々を社内外から招待し、適切なデータを提供します。そして、事前に用意されたアクションによって正しい選択をする、インタラクティブなディシジョンメイキング・ツールなのです。

これらから伝わってくるのは、単にチャットやタイムラインのような形で情報共有をするのではなく、意志決定のためのアプリケーション機能が備わっているということです。12sprintsはSAPが買収したBusiness Objectsの部門が開発していることもあり、分析データを活用して意志決定するような機能が備わっています。

12sprintsのいくつかの画面については、InformationWeekの記事「Pre-Beta: SAP Expands BI On Demand (Video)」で、SAPの上級バイスプレジデントのMarge Breya氏によるデモンストレーションのビデオの中で見ることができます(ビデオはこの記事のいちばん最後にも掲載しました)。

ビデオでは、12sprintsで自動車の販売プランを決定するアクティビティに招待されたBreya氏が、意見を投票する、というストーリーになっています。

fig 12sprintsの「Activities」画面。現在自分が参加しているアクティビティ(プロジェクトのようなもの)が表示されている
fig Q4の販売計画を決定するアクティビティの画面。なにを決定すべきか、などが記述してある
fig 下へスクロールしていくと、いつまでに意志決定するかというスケジュールが
fig 意志決定に関する投票。ここで自分の意見や、関連データへのリンクなどを記入できる

ビデオの中ではこのあと、Breya氏はさらに開発中のデータ分析ツールを参照して議論をリードする様子を見ることができます。やはり、コミュニケーションの中で分析データをうまく活用し、意志決定に至るフローを実現するツールのようです。

業務アプリケーションは連係の時代へ

SAPは以前から、企業内コミュニケーションと業務アプリケーションの連係に熱心に取り組んでいました。

これまで業務アプリケーションというのは、専用のアプリケーションを立ち上げてその中で使うものでした。しかし、これからはそういった業務アプリケーションの中で閉じているのではなく、コラボレーションツールや意志決定アプリケーションと連係し、経理部門や経営会議などの限られた場面ではなく、社内のさまざまな意志決定に貢献するためのものになる。そうしたビジョンを同社は描いているのでしょう。

そうした動きはセールスフォース・ドットコムのChatterにも見ることができます(参考:クラウドで先頭を走るセールスフォースが「過去最大のブレークスルー」を発表。Dreamforce 2009)。Google Waveのボットも狙いは同じでしょう。意志決定のためにコミュニケーションツールの周囲でさまざまなアプリケーションが連係することは、これからの企業内アプリケーションの新しいトレンドとして表面化してきそうです。

以下が、12sprintsのデモが行われているビデオ。

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タグ : Google Wave , SAP



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