2013年までにクラウドのリーダーはマイクロソフトとVMwareになる、とガートナー

2010年11月2日

フロリダ州オーランドのディズニーワールドを会場にして先週行われた米ガートナーのイベントで、「2013年までにクラウドのリーダーがマイクロソフトとVMwareの2社だと認識されるようになるだろう」とアナリストが予想していると、PC Magazineのブログにポストされたエントリ「Gartner: Will Microsoft and VMware Dominate the Cloud Landscape?」で取り上げられています。

Gartner: Will Microsoft and VMware Dominate the Cloud Landscape? - Forward Thinking by Michael J. Miller

この発表が行われたのは「Cloud Computing: Changing the Vendor Landscape」(クラウドコンピューティング:変わるベンダーの景色)というセッション。いまのところエンタープライズ分野のクラウドには明確なリーダーはいないけれど、主要なベンダーが徐々にクラウド戦略を確立していくことで新たなベンダー間のバランスが見えてくるだろう、というのがセッションの主題でした。

そしてその新しいバランスというのがマイクロソフトとVMwareの2社がリーダーとして認識されることになるというのです。

マイクロソフトとVMwareのラインナップがもっとも充実

記事によると、アナリストの主張はこうです。クラウドには、自社のデータセンターで運営するプライベートクラウドから、他社のデータセンター上に自社のクラウドを構築するバーチャルプライベートクラウド、複数の組織が共同で運営するコミュニティクラウド、そして誰でもが利用できるパブリッククラウドなどさまざまな種類の実装が登場しようとしています。そしてこれらを含む複数ベンダのクラウドを連係させることへの関心が顧客の間で高まっていくと予想されます。

そうしたクラウドへの対応状況をベンダ別に見ていくと、クラウドサービスの提供(クラウドサービスプロバイダ)、クラウドを実現するソフトウェアの提供(クラウドイネーブラ)、IaaS、PaaS、SaaSの実現、パブリッッククラウド、プライベートクラウドの提供など機能別に見ていくと、マイクロソフトとVMwareのラインナップがもっとも充実しています。

また、例えば従来のソフトウェア、例えばWebSphereやOracleデータベースをAmazon EC2に乗せても、それは単なるホスティングサービスと認識されるとも指摘。

これが顧客から2社をクラウド市場のリーダーと認識させることにつながるとのこと。アナリストによる2社の評価を引用しましょう。

Microsoft has "one of the most visionary and complete views of the cloud," Cearley said. In some respects, he said, in a few years, you may think of their enterprise offerings as private versions of their cloud offerings.

マイクロソフトは「ビジョンを備え、クラウドに対する隙のない見方を持っている」と(アナリストの)Cearley氏は言う。ある意味で、数年以内に、同社のエンタープライズ向け製品は、同社のクラウドが提供しているもののプライベート(クラウド)バージョンだと考えられるようになるだろう。

(略)

VMware, on the other hand, is not trying to be a provider -- just an enabler, Smith said. It has been focused on private clouds, but with things like Springsource and Zimbra, it is taking on more public cloud attributes.

一方でVMwareは、自社でクラウドサービスを提供しようとはしておらず、クラウドを実現するためのイネーブラーだ。これまでプライベートクラウドにフォーカスしてきたが、SpringSourceやZimbraによってパブリッククラウドの機能も備えようとしている。

マイクロソフトによるIaaSの提供はまだ先だ

このガートナーの分析を取り上げたCloudcomputing.infの記事「Gartner: Microsoft and VMware the only leading players in cloud computing by 2013」は、マイクロソフトがリーダーとみなされることに懐疑的なようです。

その理由として、ガートナーがマイクロソフトのIaaSを考慮に入れているのに対し、IaaS機能に相当するWindows AzureのVM Roleは先週のPDC10で発表されたばかりであり、2011年の後半まで提供されず、提供されたとしてもまだ最初のバージョンであること、と同時にマイクロソフトは来年登場する予定の製品(次のSystem Center)まで待たなければプライベートクラウドでのIaaSソリューションを持っていないことなどを挙げています。

2013年には「クラウド」はもっとあいまいになっているのでは

このガートナーによる分析のポイントは、「マイクロソフトとVMwareの2社がリーダーとして認識される」という点にあります。元記事には英文でこうあります。

only two vendors will be perceived as leaders in both cloud computing and enterprise computing.

つまり顧客からベンダを見たときにどう見えるか? という予想である点に注意が必要でしょう。

僕自身は少し別の予想をしています。3年後の2013年には、なんでもかんでも企業向けのソリューションは「クラウド」という言葉が使われていて、顧客から見るとクラウド市場のベンダ≒エンタープライズ向けベンダとなっているでしょう。そのなかで、あえて「クラウド分野」のリーダーを決めるのは困難なのではないでしょうか? ちょっとひねた見方ですかね。

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タグ : Microsoft , VMware , クラウド



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