インド、12億の全国民をバイオメトリクスでデータベース化。12桁のID発行へ。日本でも2013年までに国民ID導入の方針

2010年9月30日

インド政府は、虹彩スキャンや指紋認証などのバイオメトリクスを使って個人認証を行い、約12億の国民全員をデータベース化してIDを発行するプロジェクトに4年がかりで取り組み始めたと、BBCが報じています

BBC News - India to compile 'world's biggest' ID database

世界最大の個人情報データベース

このプロジェクトでは、個人を認識するための虹彩スキャン、写真、指紋といった情報が大規模な中央データベースに保存されます。世界最大の個人情報データベースになることでしょう。

As well as iris scans, photographs, fingerprints and other personal information will be collected and then stored on a vast central database.

IDは12桁の数字で全員に発行され、生活保護、パスポートの申請といった公共サービスだけではなく、銀行口座の開設などにも使えるようになるとのこと。発行されたIDはパスポート大のカードとして本人に手渡されるようです。

Under the scheme, all Indians will be issued a 12-digit ID number which they will use to receive welfare handouts, to apply for other documents like passports and even to open bank accounts, the BBC's Mark Dummett in Delhi says.

記事では、国民IDの発行によって名前を偽って生活保護や教育を受けたりするといった不正を防ぎ、数十億ドルの節約になると政府は主張している一方で、プロジェクト自身が数十億ドルかかるとともに、あまりにも多くの個人情報を集めることへの心配もあるとされています。

日本でも2013年までに国民IDが

高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部 議事次第

日本でも「国民ID構想」あるいは「共通番号構想」といった国民全員を対象としたID構想があります。5月に出された「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(第53回)議事次第」の資料「新たな情報通信技術戦略(案)(PDF)」では、

社会保障の安心を高め、税と一体的に運用すべく、電子行政の共通基盤として、官民サービスに汎用可能ないわゆる国民ID制度の整備を行うとともに、自己に関する情報の活用については、政府及び自治体において、本人が監視・コントロールできる制度及びシステムを整備する。

と、電子行政の共通基盤として国民IDの整備がうたわれ、具体的な方針として、

社会保障・税の共通番号の検討と整合性を図りつつ、個人情報保護を確保し府省・地方自治体間のデータ連携を可能とする電子行政の共通基盤として、2013 年までに国民ID制度を導入する。

と、2013年までに国民ID制度を導入する方針が示されています。その構築コストには6100億円がかかると報道されています。維持費はいったいいくらなのでしょう?

しかしこのことへの関心は薄く、あまり知られていないように思います。コストに対してメリットは何で、リスクは何なのか。具体的な国民IDの構築はまだ先ですし、いまからでも国が国民の個人情報をどうやって、どこまで管理し、セキュリティをどう維持していくかという点について、幅広い関心と議論が求められているのではないかと思います。

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タグ : セキュリティ



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