マイクロソフトがプライベートクラウド製品を計画中。Windows Azureとのフェデレーション構想も

2009年7月13日

Windows Azureでクラウド戦略を推し進めているマイクロソフトが、企業内のデータセンターをクラウド化する、いわゆるプライベートクラウドのための製品群を計画中です。

Microsoft Cloud Computing Infrastructure | Private Cloud & Public Cloud

製品群の名称は「Dynamic Datacenter Toolkit for Enterprises」。現在同社は、ホスティングベンダー向けのクラウド構築ツール「Dynamic Data Center Toolkit for Hosting Providers」を提供しており、これをベースに企業向けにアレンジしたものがプライベートクラウド用の製品群になると予想されます。登場予定は2009年末。

プライベートクラウドとパブリッククラウド(Windows Azure)が連係へ

マイクロソフトがプライベートクラウドの製品群の登場を明らかにしたWebページでは、同社のプライベートクラウドの特徴として以下が挙げられています。

マイクロソフトはWindows Azureによるパブリッククラウドと、Dynamic Datacenter Toolkit for Enterprisesによるプライベートクラウドを「クラウドの連続体(Microsoft Cloud Continuum)」と呼んでおり、両者のフェデレーションが構想されています。

パブリッククラウドとプライベートクラウドを同時に提供する構想を持つベンダはいまのところマイクロソフトが唯一といえ、上記の4番目の特徴として挙げられたフェデレーションが実現すれば、パブリッククラウド、プライベートクラウドをそれぞれ提供する競合他社に対する大きなアドバンテージになるでしょう。

特に、企業向けのプライベートクラウドの製品展開に力を入れているヴイエムウェアにとって、このマイクロソフトの製品展開は脅威に映るはずです。

基盤を構成するソフトはWindows Azureと同じ

ちなみに、ホスティングベンダー向けのクラウド構築ツールには以下の製品が含まれています。

3つめのMicrosoft System Centerは、管理ポリシーを基にシステム運用を自動化できる管理ツールです。

Windows Server 2008とHyper-VはWindows Azureの基盤ソフトウェアとしても使われており、ソフトウェアの構成としてはWindows Azureとほぼ相似のクラウドを構築することができます。

マイクロソフトはWindows Azureを構築するソフトウェアについてはかなりの最適化と変更をほどこしているので、上記のソフトウェアによって構築されたプライベートクラウドは「小さなWindows Azure」とは異なるものになるはずです。しかし、マイクロソフトは恐らくそうした違いをうまく隠蔽し、デベロッパーやエンドユーザーにとってプライベートクラウドとパブリッククラウドをできるだけシームレスにすることでしょう。

そうすることで、業務アプリケーションのクラウドへの移行をどこよりも優位に進めることができます。

クラウドベンダの合従連衡が起きるのか?

マイクロソフトが構想する、パブリッククラウドとプライベートクラウドのフェデレーションは、クラウドベンダとしてかなり強力な戦略のように思います。

これに対抗するには、いまはバラバラに製品やサービスを提供しているパブリッククラウド、プライベートクラウドのベンダがアライアンスを組むほかありません。例えば、Xenをベースに仮想化しているアマゾンは、Xenベースのクラウド製品、仮想化製品を展開するシトリックスもしくはオラクルとアライアンスを組む。あるいはVMWareを中心にプライベートクラウド構築製品を展開するヴイエムウェアが、パブリッククラウドベンダーとの連係を模索する。マイクロソフトの戦略に刺激されて、こうした合従連衡が起きても不思議ではありません。

もしかしたら、ダークホース的な存在であるAmazon EC2のクローンを構築できるオープンソースソフトウェア「Eucalyptus」を、どこかのベンダがプライベートクラウド構築ツールとして本気でかつぐ、といったこともあるかもしれません。

プライベートクラウドはこれからの市場であり、そこへの戦略次第でクラウドベンダの勢力地図がまだ大きく塗り変わることは間違いなさそうです。

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タグ : Microsoft , Windows , クラウド

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