Movable TypeとWordPressをレビューしてみて、差異よりも類似性の方が印象的

2009年3月19日

WordPressのイベント「WordCamp Tokyo 2009」が4月10日に開催されます。しかも今回はWordPressの開発元であるAutomattic社から、WordPressの創始者Matt Mullenweg氏が基調講演に登場する予定。さっそく申し込みました。

WordCamp Japan

先週、このPublickeyではMovable TypeWordPressを続けてレビューしたので、今回はこの2つの製品をレビューしてみた感想について書いてみたいと思います。

主要な機能、Movable TypeとWordPressは似ている

この2つのCMSを調べてみて一番強く感じたことは、両者は驚くほど似ている、ということです。

インストールはWordPressの方が簡単でしたが、MovableTypeのインストールも十分にシンプルなものでした。新規記事の投稿やカテゴリ、タグの分類など基本的な機能は両者とも同じですし、ウィジェットによるサイドバーへの機能追加も両者ともできます。自由に入力欄を追加するカスタムフィールド機能も同様に備えています。プラグインで機能を追加できる点を備えているのも両者同じ。デザインを切り替える場合、ギャラリーから選べば切り替えられます。

つまり主要な機能については両者とも備えていて、カジュアルにブログCMSとして使う場合、つまりテンプレートを自分ではあまりいじらずに、ギャラリーから選んで使う、といった場合には、要するに「どっちでもいい」、というのが僕の感想です。

似ている点は強く印象に残ったのですが、文章にしてみるとそれほど説明が必要なものでもないですね。そこで、差異について印象に残った点も書いてみます。

テンプレートのカスタマイズ法はずいぶん違う

両者の違いが明確に現れるのは、テンプレートを自分で書き換えてカスタマイズをしようとしたときでしょう。テンプレートのカスタマイズ方法と、その裏にある仕組みは両者の設計思想の違いがかなり鮮明に現れます。

WordPressはテンプレートはそのままPHPプログラムとして記述しますので、テンプレートの自由度としては非常に高いものがあります。PHPでできることならほぼなんでも表示させることができますし複雑なロジックも記述できますから、静的なコンテンツだけでなく、リアルタイムなアンケートの集計結果など動的な表示もすんなりと実装できます。

これは逆に言えば怖いことでもあって、いいデザインだからと知らない人のテンプレートを採用する場合、それはテンプレートという名のPHPプログラムを自分のサーバで実行することです。本当にそのテンプレートに問題ないのか、よく吟味する必要があると思います。

一方のMovable Typeは、専用のMTタグでテンプレートを記述します。MTタグは一般の用途に必要だと思われる機能をおおむね満たしていますし、最近のバージョンでは条件分岐、ループ、変数なども表現できるようになって強力になりました。

しかし任意の文字列操作などの機能がなかったり、ソートもあらかじめ決められた方法でしか行えないなど、複雑な処理をテンプレートにさせようとしたときに制限にぶつかることがあります。どうしても細かい処理をしたいときには別途プラグインで機能を補うなどの手段が必要になります。

こうした多少不自由さを持つ半面、MTタグはよくできたフレームワークでもあります。Webデザイナーのようなプログラミングに詳しくない人でも、MTタグとHTMLの組み合わせでも作り込みによって完成度の高いWebサイトが構築できるのは抽象度の高さゆえですし、MTタグを利用している限りセキュリティホールなど危険な作り込みはできないようになっています。

出自の違いが差異を生んだ?

ここからは想像なのですが、この違いは両者の出自の違いから生じているのではないでしょうか。

Movable Typeは、Six Apartの創業者であるトロット夫妻によって開発されたのですが、そのきっかけは妻のミナ・トロット氏が夫のベン・トロット氏に、簡単にWebサイトを管理するツールがほしいと依頼したためだそうです。だからMovable Typeはプログラミングが得意でない人でもカスタマイズしやすいようにできているのではないでしょうか。

一方でWordPressは、Matt Mullenweg氏がb2/cafelogというオープンソースのCMSを基に自分で使うために改良したことが始まりだといわれています。PHPで書かれたWordPressのプログラマ自身がカスタマイズしやすいようにテンプレート機能を作ったのだとすれば、そのままPHPが用いられているのはある意味で自然なことかもしれません。

ちなみに、開発元のSix ApartとAutomatticのビジネスを比べてみても、両者ともTypePadとWordPress.comというブログホスティングサービスを提供し、最近はTypePad ConnectとIntenseDebateというコメントアウトソースサービスを提供するなどの共通点が見つかります。

なんとなく両社は仲が悪そうなイメージなのですが、本当のところはどうなんでしょうね。

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タグ : Movable Type , WordPress



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